科学研究費補助金の研究成果概要の公開
※全ての研究計画は完了しています。国庫の貴重な財源を活用させていただきありがとうございました。(2011.9)
平成21〜22年度科学研究費補助金(文部科学省)
若手研究(B)-21700832
「幼児・児童の避難行動に適したリアルタイムウォークスルー型ナビゲーションの開発」
A Developmental Study of Navigation System by Real Time Walk Through Type Information for Children Evacuation.
 
【研究成果の概要】
子どもが被災時に自主的な避難行動を可能にするためのアイテムとしてナビゲーション機器の開発を進めている。本研究では、既存のナビゲーション機器の情報提示内容を分析した上で、リアルタイムウォークスルー型の情報提示様式で仮想避難実験を行い、利用可能性を検証した。その結果、鳥瞰地図型と比較して理解しやすいこと等が正誤反応、RT(反応潜時)を基に明らかになったが、画面への注視頻度が今後の課題となった。
【Summary】
This study aimed to develop portable navigation system for children's evacuation. For children use navigation system, we must solve the psychological problem of viewpoint exchange. Then we proposed the navigation design that indicates real time walk through viewpoint type. In this study, we tried to do usability experiment by imaginary evacuation task. The results were as follows : (1) By using real time walk through type information, many young children's performance were better than bird viewpoint on T/F tests, response time, usability evaluation. (2) but real time walk through viewpoint type information made concentrate to gaze navigation screen, and children can't pay attention to environments enough.
【動画】JSET2011_setumei_douga.avi
【研究1】現行のナビゲーション機器と情報提示様式と子どもの利用可能性についての分析

ポータブルナビゲーションのコンテンツについては、当然ながら、販売するメーカー による開発を基本に進歩している。これによ り、より精緻で情報が豊富となると思われるが、「子どもが利用すること」「被害時に利用すること」を考えたとき、必要な情報のみならず、表現等が冗長または過剰となる可能性がある。そこで、現行のポータブルナビゲーション機器およびソフトウェアを中心に、機 能、表示方法を分析すると共にモニタ調査か ら子どもの被害時利用にとって問題となる 可能性を明らかにして、本研究の目的にあっ たナビゲーションの場合、どのような情報が 適切なのかを検討した。

 
【研究2】避難指示情報の種類と子どもの反応について
上記に加え、経路指示情報が瞬時にわかりやすいものとなるためには、子どもの既有知識をもとに、認知しやすい特性(色、形状など)を明らかにしておくことが重要である。 そこで、既存の道路交通標識や一部特性を変化させた実在しない標識(例:青色の止まれ) ど゛に対する反応を個別質問調査および実験法により検討した。
 
【研究3】リアルタイムウォークスルー 型避難経路情報への反応についての実験的検討(1)
  -鳥瞰型画像との反応の比較-
これまでの研究成果より、子どもの避難行動時に理解しやすいナビゲーション情報のスタイルとして、常時日常的視点で示されるリアルタイムウォークスルー型の可能性を 示し、本研究に展開されている。しかしなかがら、先行研究では、仮想空間の迷路実験であ ったため、避難行動に適したものであるか検討されるべきである。そこで、実際の幼稚園を題材に、園内から屋外へ避難することを想定したシミュレーション実験を行い、鳥瞰型画像によるナビゲーションとリアルタイムウォークスルー型ナビゲーションの反応の仕方について検討した。
 
【研究4】リアルタイムウォークスルー 型避難経路情報への反応についての実験的検討(2)
  -付加情報による理解促進効果-

避難時に注意情報を促すためには、付加情報の有効性が期待される(森田, 2009)。具体的な内容として、(a)視覚情報、(b)視覚以 外の情報が挙げられるが、まず(a)視覚情報については、ナビ画面上に、位置情報や経路指示標識、警告標識を提示すること以外に、 付加的な情報を提示することにより、見やすく、わかりやすい情報となるよう配慮するものである。これにより、視認性は向上すると 思われるが、一方で避難行動をとる現実を考えたとき、過剰な画面注視は現実空間への注意が抑制され、かえって危険を招くことが想定される。本研究では、1つのケースとして、 位置情報のマーカーに常時方向指示標識(矢印)を点滅表示させることにより、画面注視と行動にどのような特徴が見られるか、ディストラクターメソッド(CTW,2002)を参考に注視状況を検討した。次に、(b)視覚以外の情報については、聴覚情報(警告音、音声ガイド等)や触覚情報(バイブレーション機能、 弱電気刺激情報等)が考えられるが、これら情報を単独で提示する方法と、ナビ情報と併用する方法がある。ただし、併用の場合、ナビ情報に付加的な効果が期待できるか、注意が分散するか、あるいは視覚以外の情報に依存するようになるか、検討が必要である。そこで、本研究ではこれらを比較要因とし、正誤反応およで反応潜時(RT:Response Time) を測定することによりその効果を検証を試みた。

 
研究成果の公開状況

・日本教育メディア学会
    [2009.9.13]
    (於:新潟大学)

「子どもの避難行動に適したポータブルナビのインタフェース開発に向けた検討」
日本教育メディア学会第 16 回年次大会 J6-3.
    
・日本教育工学会
     [2011.9.18]
   (於:金城学院大学)
「幼児・児童による避難行動のた めのポータブルナビのコンテンツ開発に関する調査研究」
日本教育工学会第 26 回全国 大会講演論文集, 1a-106-02.
     
・日本教育メディア学会
     [2010.7.18]
     (於:熊本大学)
幼児向けナビの開発に向けた経路指示の検討」
日本教育メディア学会第 17 回年次大会 J4-6.
   
・日本教育メディア学会
     [2011.5.28]
 (於:園田学園女子大学)
子ども向けナビによる避難経路誘導を想定した実験的検討
日本教育メディア学会2011年度第1回研究会 A-1.
   

関連データ等

科学研究費補助金
  研究成果報告書(原本)       >KAKENより

    [2011.5.30現在]

 

 
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