科学研究費助成事業(基金)の研究成果概要の公開
※現在進行中の研究です。国庫の貴重な財源を活用させていただきありがとうございます。幼稚園等の先生方の働き方改革に貢献できることを構成員一同願っております。(2018.4)

2018〜2021年度科学研究費研究助成(日本学術振興会)
基盤研究(C)-18K02875
「園務情報システム利用の有用性と実質化についての開発的研究」
研究代表者:
 森田健宏(関西外国語大学・英語キャリア学部・教授)
分担研究者:
 堀田博史(園田学園女子大学・人間健康学部・教授)    
 浦嶋敏之(関西外国語大学・英語キャリア学部・教授)
 松河秀哉(東北大学・高度教養教育学生支援機構・講師)  
 佐藤朝美(愛知淑徳大学・情報学部・准教授)
研究にご協力いただいる研究者の方:
 田爪宏二先生(京都教育大学・教育学部・准教授)
 廣瀬眞喜子先生(沖縄女子短期大学・教授)

 

【研究の目的】
現在、小学校以上の校種において校務情報化は積極的に推進されているが、幼稚園等(保育所・認定こども園を含む)の園務情報化については、利用が
ほとんど進んでいない。これには、「利便性を実感できる具体的な内容が保育者にイメージできない」 ことや、「利用方法の学習機会設定の難しさ」、「メンテナンス対応への不安」など、様々な要因が挙げられてきている。しかしながら、少子化の現在、ICT利用によって、教師が子どもとの関わりの機会を充実させるべきは、他校種よりもむしろ幼稚園であり、支援ニーズは重大であると考える。ただし、全てがデジタル化すれば改善されることで解決されるとは限らず、むしろ、直接対人交流の機会損失によって大切なことを見逃してしまう可能性も留意しなければならない。そこで本研究では、(1)幼稚園等における教職員の多様な園務に対する繁忙さを質的調査法を中心に、厳密に調査し、(2)あらゆる園務の中からICT導入の優位性を探索的に検討し、これをふまえ、アプリケーションやシミュレーターの開発を行い、さらに幼稚園等で実際に試用をしてもらいながら、働き方改革の改善をめざすことを企図している。

【研究1】幼稚園等における園務情報システムの利用に対する考え方の質的検討

 本研究の最終的な目標は、近年、一部で導入が進んでいる園務情報システムによって、「働き方改革」や「保育者の保育活動への専念」「保育者の資質向上」などに資するかを中立的に検討し、近未来に生じうる保育環境を見据え、何がICT等の導入で貢献できるのか、また、それによって失われるもの、あるいは保育者の資質向上を阻害するものになり得るのかを検討し、園務情報システムの実質化について開発側に提言を行っていくことにある。ただし、質問紙調査法による研究は既に存在し、既定項目についての計量的検討に留まるため、理解できることには限界がある。保育機関運営を考えるとき、園の運営方針や地域事情をはじめ、様々な要因について、より深く理解とニーズを検討するには、十分なヒアリングによる質的検討がさらに必要であると判断した。そこで、まず、研究1では、全国の中から、園務情報システムを積極的に導入している園、必要に応じて部分導入している園(非積極的導入園)、導入しない園の3つのタイプを構想し、さらに地域事情が異なる園へ訪問調査を行い、その内容を検討した。
【研究の成果】
上記の通り、園務情報システムを積極的に導入している園、必要に応じて部分導入している園(非積極的導入園)、導入しない園の3つのタイプを構想し、さらに地域事情が異なる園を任意抽出し、全国から7園のヒアリング調査を行った。このうち、年度内に事例精査を完了できた5園について、成果をまとめている。とりわけ、公立園と私立園でのプライバシー情報漏洩の責任感覚の違い(ただし、私立園が低いわけでは無い)や、園務情報システムの様々な機能において、何が自園には適していて、何が直接人的交流によって適切な運営となり、また、保育者の資質向上に求められるものなのか、その選択を俯瞰的に考える条件が整っていないことなどが課題として見出された。
・この成果は、「教職実践研究集録(関西外国語大学教職教育センターの紀要)」第11巻、pp.1-10.に採録された。


【研究2】幼稚園等における園務情報システムに必要とされる機能選択(情報連携)マッピング支援の設計

研究1の成果のうち、まず、第一に、積極的導入園については機能選択や情報連携による利便性を俯瞰的にイメージできる管理者が存在することが明らかになった。しかし、これがその他の園で容易に検討することが難しいことは明白である。そこで、日常の保育活動以外の業務を改めて調査検討し、この要・不要や情報連携によって利便性が生じる可能性を見出すことができる支援機能を設計することを試みる予定である。

【研究の成果】
・前年度の研究成果をふまえ、上記の開発と、可能であれば2019年度内で試用効果を検討し、明らかにしていく予定である。【2019〜2020年度の計画】

【研究3】幼稚園等における園務情報システムをカスタマイズすることによる試用効果とその後の園運営についての検討

さらに、研究1のヒアリングを通じて、園内における保育者間の認識の差異、デジタルリテラシーの差異、保護者の理解と利用支援のあり方などの問題も明らかになっている。そこで、導入が進んでいない研究協力園1園を対象として、現状を理解しながら必要な条件をカスタマイズして試用効果を検討することを計画している。その上で、この方策に汎用性を持たせるために、研究2の成果と合わせてプロセスを分解し、各過程における選択・検討のあり方についてマニュアル化していくことを合わせて計画している。

【研究の成果】
・2018年度の研究成果をふまえ、開発と試用効果を検討し、明らかにする予定である。【2019〜2021年度の計画】


 
研究成果の公開状況
「教職英語研究・実践集録」
(関西外国語大学教職教育センター)(2018)

・「幼稚園等における園務情報化への対応の動向」


・研究の取組が完了した課題
・現在取組中の課題

・科研費データベースへの研究成果
(工事中)

関連データ等

★適時更新を進めます。

 

 
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